2016/10/02

Grand Piano The Emperorの音色に関して。

Grand Piano The Emperorは、もっともオーソドックスなグランドピアノ音源だ。
タイトルにThe Emperorと表記したわけは、丁度この音色を作りこんでいる時に天皇陛下から生前退位の意思が発表されたからだ。

日本の皇室は現在まで続いている王室として世界最古であるが、日本人の私にとっては生まれた時から自然と共にあって日常は特別な存在と意識することは少ない。あって当たり前の存在なのだ。

しかしひとたび自然災害が起こった時は、陛下が被災地を訪問し被災者を見舞われる姿を見て王家とはこうあるべきだ。そう感慨を深める。

このピアノ音源も自然な音色でありながら、グランドピアノとはこうあるべきだと思える音色を作りこんでいった。








2016/10/01

Gravecembalo col piano e forteの音色に関して。

Gravecembalo col piano e forteとは、フォルテピアノの事で1700年代後半に発明された現在のモダンピアノの祖先にあたる。昨日投稿したHarpsichordに音の強弱を加味した楽器。
今日収録したサンプル音源は、実は次回のアップデートに加えるつもりで現在編集中の音源。

春先にNIのKOMPLETE10ULTIMATEを購入した。KOMPLETEシリーズは元々10万円を超える総合音源で、自分自身で音源を制作していくうえで参考にすべき音源だと考えていて実現したわけだ。

実際にKOMPLETEの音源でMIDI譜を走らせてみると、ちょっと物足りない。ピアノの実機は数万ドル以上するのに、ソフトウェア音源では100分の1程度だから仕方がない・・・・とも考えた。

一方、従来の外付けMIDI音源と音を比較することも行うと、画像のような結果になった。


上の2つの周波数アナライザーのデータでVSTiとしている画像がKOMPLETEのピアノ音源。隣のMy Soundと比較してほしい。My Soundで紫の四角で囲んだ部分がCDの音質44.1KHzを超えた部分だが、下の2つのMIDI音源の音は画像の様に強調し過ぎていて不自然に聞こえるし、VSTiでは高音部がやや足りない。

これらのバランスを整え最も楽器らしく聞こえる音を作れないかと腐心しているのが現在の状況で、この状況はこの先も続き、より完成度を高めるつもり。








2016/09/30

Harpsichordの音色に関して。

ハープシコードは、フォルテピアノ開発以前に貴族社会で使われていた鍵盤楽器。
モダンピアノ(現在のピアノ)に比べるとフォルテピアノと同様に金属のフレームを持たないため、音の減衰時間が短い。
当時の貴族社会では、たしなみの一つだった。そのため楽器自体の音響にもまして室内音響が物を言う。現在の建築基準では、鉄筋コンクリート1階あたり3mほどが天井の基準だがハープシコードの鳴らすには倍の6m位の高さが欲しい。

この楽器の音響はC5以上の高音部を上の鍵盤、それ以下の低中音部を下の鍵盤で鳴らす設計になっている。

通常のピアノの反響版を採用すると高音部が圧迫され歪んでしまうので、あえて反響版を使わず室内の他の音響で空間の広がりを感じる設計にした。







2016/09/29

Honky Tonkの音色に関して。

前回はUpright Pianoの音色、その編集方法を解説した。今回はHonky Tonkの音色に関して、KONTAKT5サウンドライブラリーの編集方法にも踏み込んで解説する。

アメリカは南北戦争後の奴隷解放から、第一次世界大戦の終了時期にかけて急速な民主主義の拡大とともに、多くの楽器もそれまでの身分の階層を超えて広まっていった。しかし楽器は広まっても調律がまともに行えない現実。

打鍵の強弱や音程が安定しない楽器、それをそれとして楽しむ方法がJazzやBluesやCountryといった当時のポップミュージックとして次第に広まり愛されて現在に至る。
Honky Tonkは、そういった調律が施されていない不安定なピアノの音だ。



そこで画像の様に、音の立ち上がりを急速に変化させるカーブを採用し、ランダマイズ機能ではヴォリュームやベロシティーとピッチ(音程)も不安定に変化するプログラムとした。

この画像のスパナマークをクリックすると、下記の画像の様エディターウィンドウが現れる。横のスライダーを一番下まで下げると、ADSR(音の立ち上がりから減衰)も詳細にコントロース出来る。

さて今日考えてみたいのは、音響効果のリヴァーブに関してだ。
ここでは、4個のリヴァーブを並べているが、それぞれ意味が異なる。



1は、ダンバーが弦を叩いて楽器の底面から響いてくる最も近いと思われる反響音。
2は、反響板(グランド・ピアノで蓋の様に見える)で跳ね返される音。
3は、楽器の下から床で跳ね返ってくる反射音。
4は、この楽器が置かれている空間の広さ。


それぞれの反響音は、赤枠のPre Dlyで反響時間を設定している。音は秒速340.29mなので、Pre Dlyの単位ms(1000分の1秒)では34.029cmとして1~4までの音の距離感を設計した。








2016/09/28

Upright Pianoの音色に関して。

今日日付が変わってからリリースしたKONTAKT5用サウンドライブラリーの鍵盤楽器音色12種類を音色ごとの特徴と簡単な使い方を解説していこうと思う。

まずはUpright Pianoの音色から。

Upright Pianoは家庭で使われるピアノの代表的な音色だが、ソフトウェアとしては多く流通していない。Grand Pianoが本格的なピアノでUpright Pianoは練習用といった偏った考えが根強いためだ。

私が作っている音色と音源は、演奏者が演奏中に感じている音の立体感を忠実に再現している点がこれまでのソフトウェア音源と大きく異なる。この点から鍵盤楽器をそれぞれ再現してみると、どの楽器が勝ってどの楽器は劣るといった偏見はかき消され、それぞれが持つ特色を体感できると思う。

Upright PianoはGrand Pianoとは違い、箱の中で音が鳴っている。箱を痺れるような音響で鳴らすことに最大限の努力をした。




上記画像の赤枠内のパラメータを変更することで、ユーザーはオリジナルの音色を簡単に作ることができる。プリセットとして組んである音色は万全を期しているが、音の好みは人それぞれなので簡単に自分の好きか音色を作ることができる。

1は、音の立ち上がりをどうするか?を決めるパラメータ。Upright Pianoでは平均的に増幅する立ち上がりを採用したけれど、これでなくてはいけないといったわけではない。

2は、ベロシティーがヴォリュームに反映される割合を設定できる。Vel側につまみを回すとボリュームへの変化量が少なくなりVol側に回すと多くなる。ダイナミックレンジ(音の強弱)の幅を設定するつまみ。

3は、2で設定したダイナミックレンジ(音の強弱)の影響する打鍵の強さを数値設定できる。この画像では最小の設定から最大の設定まで数値に大きな幅を持たせているが、2のつまみと併用することで、強弱のバランスを好みの設定にできる。

4のスイッチをONにする事で、演奏に人間の感覚に近いランダム性を持たせることが出来、常に同じ演奏にならない面白さを作り出すことができる。ランダム性はヴォリューム・ベロシティー・パン・ピッチに振り分けられ調整量の加減できるが、ピアノ音色に関してはピッチ(音程)に変化を与えることは望ましくないように思う。まあそれも人それぞれ考え方次第だが。

音色は下記リンクから試聴できる。

鍵盤楽器の音色12種をリリースしました。

ピアノをメインに12種類の鍵盤楽器の音色を作りリリースします。 今後も音色に磨きをかけて、よりよい楽器を目指します。そのたびにアップデート情報としてここに掲示していきます。
収容した楽器の音色は、グランドピアノ2種・アップライトピアノ・ハープシコード・クラビコード・エレクトリックピアノ2種・エレクトリックグランドピアノ・フォルテピアノ・ホンキートンク・パイプオルガン・アジアンスケール。

32Bit48KHzのサンプリングなので、ハイレゾナンス対応音源になってます。

GUIも作りこんで、スクリプトを組み込んでいるので、KONTAKT5を使い慣れた人には直観的に操作できると思う。

ダウンロードは下記から




転売は認めませんが、再配布や改編に制限は設けないので自由に遊んでください。
また、動作の保証は出来ませんが、バグや不具合の報告をもらえれば対処できるかもしれません。

2016/09/11

FL Studio12の「ZGameEditor Visualizer」が面白い。

たしかFL Studio11の時には大した機能が無かった「ZGameEditor Visualizer」が、8月のアップデートで大幅に改善されたようで。

解説の動画を見てみたら自分でも、やれそうな気がしたので挑戦してみた。昨日撮った青空に浮かぶ雲の写真を視覚エフェクトで雲が動いている様に見せる演出。これは解説の動画でもやっていた手法ですが、アレンジで別のバージョンを試してみたら割と簡単にできた。

数多いプリセットも用意されているので、簡単なプロモーションビデオなら自作できると思う。





楽器は5月から組んでいるオリジナルサンプルで、1850年ごろのピアノの元祖フォルテピアノ(gravecembalo col piano e forte)。サンプリングとKONTAKT5への読み込み加工はおよそ済んだので、近日中にフリーウェアとしてリリースします。

2016/05/25

32Bit 96KHz WavフォーマットIRデータ公開しました。

自分がつくっているサウンドライブラリーにIRリヴァーブを標準搭載しているのに、読み込めるデータを公開しないのは片手落ちだと思い。32Bit 96KHz WavフォーマットIRデータ公開しました。

一般に流通している44.1KHzのWavフォーマットIRデータでも最近までは満足していたのですが、IR1を購入し32Bit 96KHzの濾過力に驚きました。
それに比べるともちろん、音質は劣化しますが従来の44.1KHzと比べれば音の輪郭が柔らかくなると思います。

下の画像は、FL Studio12でIRデータを読み込んだ様子です。僕のに限らず32Bit 96KHzのサンプリングレートに対応しているプラグインならこのように読み込んで使用できるはずです。



2016/05/22

KONTAKT5用のサウンド・ライブラリーを書いています。

GM音色のMAPに対応した音源を組んでみようと考えています。今日現在、10種のピアノカテゴリーの音色と20種のドラムキットをリリースしました。

販売を除いて、再配布や編集使用には制限を設けていないので、興味のある方は使ってみてください。フリー音源です。

TOPAZ Musical sound library