2016/09/29

Honky Tonkの音色に関して。

前回はUpright Pianoの音色、その編集方法を解説した。今回はHonky Tonkの音色に関して、KONTAKT5サウンドライブラリーの編集方法にも踏み込んで解説する。

アメリカは南北戦争後の奴隷解放から、第一次世界大戦の終了時期にかけて急速な民主主義の拡大とともに、多くの楽器もそれまでの身分の階層を超えて広まっていった。しかし楽器は広まっても調律がまともに行えない現実。

打鍵の強弱や音程が安定しない楽器、それをそれとして楽しむ方法がJazzやBluesやCountryといった当時のポップミュージックとして次第に広まり愛されて現在に至る。
Honky Tonkは、そういった調律が施されていない不安定なピアノの音だ。



そこで画像の様に、音の立ち上がりを急速に変化させるカーブを採用し、ランダマイズ機能ではヴォリュームやベロシティーとピッチ(音程)も不安定に変化するプログラムとした。

この画像のスパナマークをクリックすると、下記の画像の様エディターウィンドウが現れる。横のスライダーを一番下まで下げると、ADSR(音の立ち上がりから減衰)も詳細にコントロース出来る。

さて今日考えてみたいのは、音響効果のリヴァーブに関してだ。
ここでは、4個のリヴァーブを並べているが、それぞれ意味が異なる。



1は、ダンバーが弦を叩いて楽器の底面から響いてくる最も近いと思われる反響音。
2は、反響板(グランド・ピアノで蓋の様に見える)で跳ね返される音。
3は、楽器の下から床で跳ね返ってくる反射音。
4は、この楽器が置かれている空間の広さ。


それぞれの反響音は、赤枠のPre Dlyで反響時間を設定している。音は秒速340.29mなので、Pre Dlyの単位ms(1000分の1秒)では34.029cmとして1~4までの音の距離感を設計した。








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